日本財団 図書館


 

パトリシア先生、素晴らしいご講演ありがとうありました。女性の問題が、よくわかりました。ただ2,3伺いたい点があります。
エンパワーメントとはいったいどういうことを意味するのでしょうか。「実際的な力を与える」という訳もありますが、家庭において女性は十分にパワフル=力があるのではないでしょうか。男性の陰には女性があり、内助の功があります。「あなたは違うわよ。あなたはやり方がおかしいわ。わかっていないわ。」等のご主人に対する助言があって、男性は少しずつ良くなっているわけで、家庭において女性はパワーあり、と思っています。
では社会の中で、つまり家庭の外での女性のエンパワーメントについては、何が必要なのでしょうか。医者になる、技師になる、いろいろな専門職に就く女性もいらっしゃいますが、その人たちは結婚した瞬間、子供のため、家庭のために仕事を辞めてしまいます。しかし、女性がその職に就いたことで、その陰には職に就けなかった若い男性が必ずいるわけです。ある女性がエンジニアになった。そこには競争に負けて、エンジニアになれなかった男性がいる、しかし、その女性は結婚するとエンジニアの職を放棄してしまう。このような事実は実際あるわけです。
社会進出をしようと女性が頑張るがために失業がある。しかし、最後までそれを続けてくれればいいのですが、途中で放り投げてしまう。
北京の宣言に入っているかどうかわかりませんが、所有権というのはインドでは、男性に帰属します。女性はオーナーとして労働しているのではなく、あくまでも従属者であり、また生産物も成果物も男性に帰属します。ですから、所有権という権利が女性に認められていない国々が多くありますが、それがどのように取り上げられているのか教えていただきたいと思います。
それから、女性の教育、トレーニングは、どうなっているのでしょうか。実際問題として、農業に従事する人口を見ると、女性が大半を占めていますが、肥料、播種、収穫などに関する教育を十分に受けていません。インフォーマルに見よう見まねでやっているわけです。農業教育は、男性ばかりに向けられています。しかし、実際に畑に出る働き手は女性なのです。以上のような点について、この行動計画はどう考えて、どううたっているのでしょうか。

 

パトリシア・リクアナン
手短に申し上げます。お2人のご発言には共通点があったように思います。
つまり、女性を教育するという意味、女性が仕事に就くという意味、そしてそれが家族における生活の質、福祉、安全にどう影響するのかということだろうと思います。
それに対して、不安感、警戒感を持っている方がいるかもしれません。女性の社会進出で社会が変わっていくかということになりますが、それにどう対応してよいのか

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION